「トコジラミが服についているかもしれない……」
「洗濯すればトコジラミは死ぬ?」
「トコジラミがついた服を洗濯機まで運んだら、家の中に広がらない?」
トコジラミを見つけたとき、衣類の扱いについて不安になる方は少なくありません。
結論からいうと、トコジラミ対策では、洗濯だけで安心するのはおすすめできません。
トコジラミは衣類や寝具、バッグ、荷物などに紛れ込んで移動することがあります。
米国環境保護庁(EPA)も、トコジラミは衣類や家具、寝具、荷物などに「ヒッチハイク」するようにして新しい場所へ移動すると説明しています。
また、EPAはトコジラミが疑われる衣類などについて、洗濯だけでは十分ではない場合があり、家庭用乾燥機の高温設定で30分乾燥する方法を案内しています。
この記事では、トコジラミを家から追い出すために、服をどのように確認し、洗濯・乾燥し、保管すればよいのかを詳しく解説します。
トコジラミは洗濯でうつる?

まず、「トコジラミは洗濯でうつるの?」という疑問から見ていきましょう。
正確には、洗濯そのものによってトコジラミが家中に広がるというより、トコジラミが付着している衣類を移動させることが拡散につながる可能性があります。
たとえば、トコジラミがいる可能性のあるベッドの上に服を置いていたとします。
その服を、
ベッド
↓
床
↓
洗濯かご
↓
洗濯機
というように持ち運べば、その途中でトコジラミが落ちたり、別の場所へ移動したりする可能性があります。
EPAも、トコジラミがいる場所から衣類などを移動させる際には、密閉したビニール袋を使用することを推奨しています。
つまり、トコジラミ対策で大切なのは、
「洗濯するかどうか」だけではなく、「洗濯するまでにどう運ぶか」
ということです。
特に、トコジラミが疑われる衣類を抱えて家の中を移動するのは避けましょう。
洗濯だけでトコジラミを追い出せる?

ここは非常に重要なポイントです。
EPAは、トコジラミ対策について、洗濯だけでは一般的にトコジラミを殺せないと説明しています。衣類や寝具など、乾燥機を使用できるものについては、高温設定で30分乾燥する方法が推奨されています。
つまり、
洗濯=必ずトコジラミ対策が完了
ではありません。
トコジラミを衣類から追い出すことを目的にするなら、衣類の洗濯表示を確認したうえで、乾燥機を使用できるものは高温乾燥を組み合わせることが重要です。
EPAの現行ページでも、家庭用乾燥機の高温設定で30分間処理すると、トコジラミと卵を殺すことができると案内されています。
トコジラミが服についているか確認する方法

では、実際に服を確認してみましょう。
トコジラミは非常に小さく、狭い場所に入り込む性質があります。
そのため、服の表面をざっと見ただけでは発見できないことがあります。
確認するときは、明るい場所で衣類を広げ、縫い目や折り目などを重点的にチェックしてください。
EPAも、トコジラミを探す際には、布地の縫い目や家具のすき間などを重点的に確認するよう案内しています。
服の縫い目を確認する
まず確認したいのが縫い目です。
特に、
- 脇の縫い目
- 袖口
- 裾
- 襟の付け根
- ポケットの縫い目
- ファスナー周辺
- 裏側の縫い合わせ部分
を確認しましょう。
トコジラミは狭いすき間に入り込むため、衣類も表面だけではなく、縫い合わせ部分まで見ることが大切です。
ポケットの中を見る
ポケットも忘れやすい場所です。
ポケットがある服は内部まで確認し、必要なら裏返してチェックしましょう。
特に、ベッドやソファの上に置いていた衣類は、表面だけを確認して終わらせないようにしてください。
タグの周辺を見る
服についているタグの周辺も確認ポイントです。
タグの付け根には小さなすき間ができるため、虫や卵、痕跡がないかチェックします。
折りたたまれていた部分を見る
脱いだ服を丸めていたり、畳んだ状態で置いていたりした場合は、折り目も確認します。
「外側には何もいないから大丈夫」とは限りません。
衣類を広げて、内側まで確認することが重要です。
トコジラミの服を確認するときに見るべき痕跡

トコジラミを探すときは、虫そのものだけを探してはいけません。
トコジラミが残した痕跡もチェックしましょう。
EPAによると、代表的な痕跡には次のようなものがあります。
- 黒っぽい小さな点
- 赤褐色の血のようなシミ
- 卵
- 卵の抜け殻
- 脱皮殻
- 生きたトコジラミ
特に黒い点は、トコジラミの排泄物である可能性があります。
布の上では、マーカーでつけたようににじむことがあります。
また、トコジラミの卵は非常に小さく、EPAによると約1mmほどです。
そのため、肉眼で確認するときは「虫がいるか」だけでなく、小さな黒い点や卵、脱皮殻がないかも確認しましょう。
トコジラミが疑われる服を洗濯するときの手順

ここからは、実際の対処方法です。
ポイントは、「運ぶ」「洗う」「乾燥する」「保管する」までを一つの流れとして考えることです。
1.服をそのまま持ち歩かない
トコジラミが疑われる服を見つけても、すぐに別室へ持っていくのは避けましょう。
トコジラミは衣類に紛れて移動できます。
衣類を移動させる必要がある場合は、先に袋へ入れることをおすすめします。
2.密閉できる袋に入れる
EPAは、トコジラミがいる可能性のある場所から衣類などを移動させる際、密閉したビニール袋に入れて運ぶ方法を案内しています。
ここで重要なのが、「洗濯かごに直接入れない」ということです。
洗濯かごそのものにトコジラミが入り込む可能性があるため、袋に入れた状態で洗濯場所まで運びます。
3.洗濯表示を確認する
衣類を洗濯するときは、必ず洗濯表示を確認してください。
衣類の素材によっては、高温に弱いものがあります。
そのため、すべての衣類を同じ条件で処理するのではなく、衣類が耐えられる処理方法を選ぶことが大切です。
4.洗濯だけで終わらせない
洗濯できる衣類については洗濯を行います。
ただし、EPAは洗濯だけではトコジラミを十分に殺せない場合があるとしています。
そのため、乾燥機を使用できる衣類は、次の工程へ進みます。
5.乾燥機で高温乾燥する
トコジラミ対策で特に重要なのが、この乾燥工程です。
EPAは、乾燥機を使用できる衣類・寝具などについて、高温設定で30分間乾燥する方法を紹介しています。これはトコジラミだけでなく、卵にも有効とされています。
したがって、
洗濯 → 高温乾燥
という流れを基本に考えるとよいでしょう。
ただし、衣類によって乾燥機が使用できない場合があります。
必ず衣類の洗濯表示を確認してください。
洗濯・乾燥した服はどうする?

処理した服を、そのままクローゼットへ戻すのも避けたいところです。
EPAは、処理した衣類などを密閉したビニール袋に保管し、トコジラミが再び入り込まないようにする方法を案内しています。
つまり、
処理前の服
↓
密閉袋で移動
↓
洗濯
↓
高温乾燥
↓
清潔な袋などで保管
という流れです。
特に、トコジラミが発生している部屋のクローゼットやタンスへ、処理済みの服をすぐ戻すのは避けたほうがよいでしょう。
衣類をきれいにしても、収納場所にトコジラミが残っていれば、再び付着する可能性があるためです。
コインランドリーで洗濯するときは要注意

トコジラミが疑われる衣類をコインランドリーへ持っていく場合も注意が必要です。
EPAは、コインランドリーなどの共用洗濯施設を利用する場合、洗濯物を袋に入れて運び、乾燥機から取り出した衣類も袋に入れて持ち帰ることを案内しています。
また、EPAのコインランドリー向け資料では、衣類を密閉袋から直接洗濯機へ入れることや、衣類が耐えられる範囲で高い温度を使用することなども案内されています。
ここでも大切なのは、衣類をむき出しの状態で持ち運ばないことです。
「家からコインランドリーまでなら大丈夫」と油断せず、袋に入れて運びましょう。
服だけではなく、ベッド周辺も確認する

トコジラミを本当に家から追い出したいなら、衣類だけを処理して終わりにしてはいけません。
トコジラミは衣類以外にも潜みます。
EPAによると、ベッド周辺では、
- マットレスの縫い目
- マットレスのタグ周辺
- ボックススプリング
- ベッドフレーム
- ヘッドボード
などが確認ポイントです。
被害が広がっている場合には、
- ソファの縫い目
- 椅子のすき間
- カーテンの折り目
- 引き出しの接合部
- 壁紙のすき間
- コンセント周辺
などから見つかることもあります。
つまり、
「服から見つかった=服だけの問題」
とは限りません。
衣類を処理すると同時に、トコジラミが潜んでいそうな場所も確認することが大切です。
トコジラミを追い出すために避けたいこと

ここまでの内容を踏まえて、やってはいけない行動も整理しておきましょう。
服を抱えて別の部屋へ移動する
これは避けましょう。
トコジラミが衣類についていた場合、移動中に別の場所へ広がる可能性があります。
移動させるなら、密閉袋に入れてからにしましょう。
洗濯だけで安心する
これも注意が必要です。
EPAは洗濯だけでは一般的にトコジラミを殺せないとしており、乾燥機の高温設定で30分間処理する方法を案内しています。
処理した服をすぐ元の場所へ戻す
処理した衣類をトコジラミが潜んでいる可能性のある場所へ戻すと、再び付着する可能性があります。
処理済みの衣類は密閉袋などで管理しましょう。
服だけ処理して終わる
トコジラミは衣類以外にも潜みます。
ベッド、マットレス、ソファ、家具なども確認してください。
トコジラミを家から追い出すためのポイントまとめ
トコジラミが服についているかもしれないときは、慌てて服を持ち歩くのではなく、次の手順で対応しましょう。
1.トコジラミが疑われる服をむやみに移動させない
2.移動させる場合は密閉袋に入れる
3.縫い目・ポケット・タグ・折り目を確認する
4.黒い点、赤褐色のシミ、卵、脱皮殻などを確認する
5.洗濯表示を確認して洗濯する
6.乾燥機を使用できる衣類は高温で30分乾燥する
7.処理済みの服は密閉袋などで保管する
8.ベッドやソファなど衣類以外の場所も確認する
この流れを覚えておけば、「とりあえず洗濯する」という対処から一歩進んだトコジラミ対策ができます。
まとめ|トコジラミは洗濯だけでなく「移動・乾燥・保管」が重要
「トコジラミは洗濯でうつる?」という疑問について、正確にいうと、衣類を洗濯機に入れること自体より、トコジラミが付着した衣類を不用意に移動させることが拡散につながる可能性があります。
そして、洗濯だけでは十分とはいえません。
EPAは、乾燥機を使用できる衣類について、高温で30分乾燥する方法を推奨しています。
また、衣類を移動するときは密閉袋を使い、処理後の衣類も密閉して保管することがポイントです。
トコジラミは衣類だけにいるとは限りません。
ベッドやマットレス、ソファ、家具などにも潜むため、衣類を処理した後は周辺もしっかり確認しましょう。
「洗濯したから大丈夫」ではなく、「広げないように運ぶ→適切に処理する→再付着させない」という考え方が、トコジラミを家から追い出すための基本です。
参考・引用元
- 米国環境保護庁(EPA)|Preparing for Treatment Against Bed Bugs
衣類・寝具の高温乾燥、洗濯だけでは不十分な場合、密閉袋による移動・保管などについて解説されています。
EPA公式:Preparing for Treatment Against Bed Bugs - 米国環境保護庁(EPA)|How to Find Bed Bugs
トコジラミの痕跡、卵、脱皮殻、黒い排泄物、マットレスや家具などの確認場所について解説されています。
EPA公式:How to Find Bed Bugs - 米国環境保護庁(EPA)|Protecting Your Home from Bed Bugs
衣類・寝具・荷物などを介したトコジラミの移動や、洗濯物を袋に入れて運ぶ方法について解説されています。
EPA公式:Protecting Your Home from Bed Bugs - 米国環境保護庁(EPA)|Controlling Bed Bugs Using Integrated Pest Management (IPM)
洗濯だけでは一般的にトコジラミを殺せないこと、高温乾燥30分などの物理的対策について解説されています。
EPA公式:Controlling Bed Bugs Using Integrated Pest Management - 米国環境保護庁(EPA)|Avoid Bed Bugs at the Laundromat
コインランドリー利用時の衣類の袋詰め、乾燥、洗濯物の取り扱いについて解説されています。
EPA資料:Avoid Bed Bugs at the Laundromat


