「服にノミが付いているかもしれない」
「外から帰ってきたら、衣類にマダニが付いていないか心配」
「布団やシーツにノミがいる場合、洗濯すれば追い出せる?」
そんなときに気になるのが、ノミやマダニを洗濯で取り除く方法です。
結論からいうと、衣類や寝具に付着したノミ・マダニを取り除くうえで、洗濯や乾燥は重要な方法です。
ただし、ノミとマダニでは性質が異なるため、同じように考えるのはおすすめできません。
特にマダニについては、厚生労働省が、屋外活動後にマダニが付着していないか確認することや、上着・作業着を屋内に持ち込まないことを案内しています。
また、CDC(米国疾病予防管理センター)は、屋外から戻った後の衣類について、乾いた衣類なら高温の乾燥機で10分間処理する方法を案内しています。
洗濯が必要な場合は温水が推奨され、冷水・中温の水ではマダニを殺せないとしています。
一方、ノミについては、洗濯だけでなく、ノミの卵・幼虫・蛹などが環境中に残ることも考える必要があります。
CDCは、ノミ対策として寝具やペット用寝具などの洗浄に加え、掃除機による清掃などを組み合わせる方法を案内しています。
まず知っておきたい「ノミ」と「マダニ」の違い

「ダニ」という言葉でひとまとめにされることがありますが、ノミとマダニは別の生物です。
また、「ダニ」と呼ばれるものの中にもさまざまな種類がいます。
今回の記事で扱うのは、主に以下の2つです。
- ノミ:衣類、寝具、カーペットなど生活環境に入り込むことがある
- マダニ:草むらや藪などに生息し、人や動物、衣類などに付着して屋内へ持ち込まれることがある
厚生労働省によると、マダニは野外活動や農作業、レジャーなどで生息場所に入った際に付着することがあります。
特に春から秋にかけて活動が盛んになるとされています。
そのため、屋外から帰宅したときの衣類にマダニが付着しているケースと、家の中の寝具などにノミがいるケースでは、対処方法を分けて考える必要があります。
ノミを洗濯で追い出す方法

ノミが衣類やシーツ、布団カバー、ペット用寝具などにいる可能性がある場合、まず洗濯できる布製品を洗います。
CDCは、ノミ対策の衛生管理として、寝具、ラグ、ペット用寝具などを洗うことを挙げています。
また、ミネソタ大学エクステンションも、ノミ対策としてペット用寝具を温水で洗うことを案内しています。
1.ノミがいる可能性のある布製品を分ける
まず、ノミが付いている可能性があるものをまとめます。
たとえば、
- シーツ
- 布団カバー
- 枕カバー
- タオル
- 衣類
- ペット用ベッド
- ペットが使用していた毛布
- 洗濯可能なマット類
などです。
特にペットが使用していた寝具は、ノミが生活環境に入り込んでいる可能性を考えて、洗濯対象にするとよいでしょう。
ただし、ノミが疑われるからといって、洗濯前の布製品を激しく振ったり、室内で強くはたいたりするのは避けたほうが無難です。
そのまま洗濯工程へ移しましょう。
2.洗濯表示を確認する
次に、必ず洗濯表示を確認します。
「ノミを追い出したいから」といって、すべての衣類や寝具を高温で洗えばよいわけではありません。
素材によっては、
- 縮む
- 型崩れする
- 色落ちする
- 生地が傷む
といった問題が起こる可能性があります。
したがって、その製品で可能な洗濯方法の範囲内で、できるだけ適切な方法を選ぶことが基本です。
3.洗えるものは洗濯する
洗濯可能なシーツやカバー、衣類、ペット用寝具などは、洗濯表示に従って洗います。
ノミ対策では、単純に「洗濯機を回せば終わり」と考えるのではなく、ノミが付着している可能性のある布製品をまとめて処理することがポイントです。
CDCも、ノミ対策の第一段階として、寝具やペット用寝具などの洗浄を挙げています。
4.乾燥機が使えるものは乾燥まで行う
洗濯後、乾燥機を使用できる製品であれば、乾燥まで行います。
ただし、ノミについては、マダニ対策のようにCDCが「乾いた衣類を高温で10分間」といった同一の条件を示しているわけではありません。
そのため、ノミ対策の記事では、「すべての衣類を高温で○分乾燥させれば完全に駆除できる」と断定しないことが重要です。
洗濯表示を確認し、その製品で可能な乾燥方法を選びましょう。
ノミが布団やシーツにいるときの洗濯方法

「ノミが布団にいるかもしれない」という場合は、布団そのものだけを見るのではなく、周辺の布製品もまとめて考えることが大切です。
特に洗濯できる、
- シーツ
- 布団カバー
- 枕カバー
- ベッドカバー
- ペット用毛布
などは、洗濯対象にします。
CDCも、ノミがいる環境では寝具やペット用寝具などを洗うことを推奨しています。
洗濯できる布団カバーなら洗濯する
布団そのものを洗濯できなくても、布団カバーは洗濯できるケースがあります。
その場合は、カバーを外して洗濯します。
「布団本体を洗えないから何もできない」というわけではありません。
まずは洗えるカバー類を確実に処理することがポイントです。
洗えない布団を無理に洗濯機へ入れない
大型の布団や特殊素材の寝具など、家庭用洗濯機で洗えないものもあります。
その場合は、無理に洗濯機へ入れないようにしましょう。
洗濯表示を確認し、必要に応じて専門のクリーニングサービスを利用します。
重要なのは、「ノミを追い出したいから何でも洗濯機に入れる」ことではありません。
製品を壊さず、可能な方法で布製品からノミを取り除くことが目的です。
マダニが衣類に付着していた場合の洗濯方法

マダニについては、ノミとは少し考え方が変わります。
厚生労働省は、マダニが生息する草むらや藪などで活動した後、入浴してマダニが付着していないか確認することを案内しています。
さらに、厚生労働省の啓発資料では、上着や作業着を家の中に持ち込まないよう注意しています。
つまり、マダニについては「家に入ってから洗濯すればいい」と考えるだけでなく、屋外活動後の衣類を適切に処理することが重要です。
乾いた衣類なら高温乾燥機を利用する方法がある
CDCは、屋外から戻った後、乾いた衣類にマダニが付着している可能性がある場合、乾燥機の高温設定で10分間処理する方法を案内しています。
これはマダニ対策として非常に具体的な情報です。
ただし、衣類が湿っている場合は追加の乾燥時間が必要とされています。
したがって、マダニが気になる衣類については、
乾いた衣類 → 高温乾燥機を10分間
という方法が選択肢になります。
もちろん、衣類の洗濯表示で乾燥機が使用可能かどうかは確認してください。
洗濯する場合は温水が推奨されている
CDCは、マダニが付着した可能性のある衣類について、洗濯が必要な場合は温水を使用することを推奨しています。
一方で、冷水や中温の水ではマダニを殺せないとしています。
ここは、マダニを洗濯で追い出したい場合に覚えておきたいポイントです。
ただし、日本の家庭用洗濯機では、すべての衣類を温水で洗えるとは限りません。
そのため、
- 洗濯表示を確認する
- 温水洗濯が可能か確認する
- 可能であれば適切な温度で洗濯する
- 乾燥機が使用できる場合は乾燥まで行う
という流れで考えるとよいでしょう。
マダニが付いた衣類を洗濯する前に注意したいこと

マダニが疑われる衣類を扱う場合、「とりあえず洗濯機へ」というより、まず衣類を確認することが重要です。
CDCは、屋外から戻った後に衣類を確認し、マダニが見つかった場合は取り除くよう案内しています。
マダニは衣類に付着したまま家の中へ運ばれることがあります。
厚生労働省も、屋外活動後にマダニが付着していないか確認することを案内しています。
そのため、マダニが心配な場合は、
衣類を確認する → 適切な方法で処理する → 必要に応じて洗濯・乾燥する
という順番で考えるとよいでしょう。
「普通の洗濯だけ」でマダニを追い出せる?

ここは誤解されやすいところです。
「洗濯機で洗ったから、マダニは絶対にいなくなった」と断定するのは適切ではありません。
CDCは、マダニ対策として、冷水・中温の水ではマダニを殺せないと明記しています。洗濯する場合は温水が推奨されています。
一方、乾燥した衣類については、高温乾燥機を10分間使用する方法が示されています。
したがって、マダニが付着した可能性がある衣類では、
「洗濯したか」だけではなく、「どのような洗濯・乾燥をしたか」
が重要です。
ノミの場合は洗濯だけでは不十分なことがある

ノミについては、さらに注意が必要です。
ノミは成虫だけでなく、卵、幼虫、蛹という段階を経て成長します。
CDCによると、ノミを完全に取り除くのは難しく、発生がひどい場合には長期間の対応が必要になることがあります。
寝具などの洗浄だけでなく、掃除機による清掃、環境への対応などを組み合わせる方法が案内されています。
そのため、
「シーツを1回洗濯したら、家の中のノミは全部いなくなった」
とは考えないほうがよいでしょう。
洗濯は、あくまで布製品に存在するノミを取り除くための重要な工程です。
ノミがペット用寝具にいる場合の洗濯方法

ノミが気になる場合、特に確認したいのがペット用寝具です。
ペットが使用する、
- ベッド
- クッション
- 毛布
- マット
- タオル
などは洗濯可能か確認しましょう。
CDCは、ノミ対策としてペット用寝具を石けんと水で頻繁に清掃することを案内しています。
ミネソタ大学エクステンションも、ペット用寝具を温水で洗うことを推奨しています。
洗えるものについては、洗濯表示に従って洗い、可能な場合は乾燥まで行います。
ノミを追い出すなら「洗濯するもの」を見落とさない

ノミが疑われるとき、シーツだけ洗って終わりにしてしまうケースがあります。
しかし、ノミが利用する可能性がある布製品はほかにもあります。
たとえば、
- ソファに置いているブランケット
- ペット用の毛布
- クッションカバー
- 洗濯可能なマット
- タオル
- 衣類
などです。
もちろん、すべてを無条件に洗濯する必要があるという意味ではありません。
ポイントは、ノミがいる可能性のある場所で使用されていた布製品を確認することです。
CDCも、ノミがいる環境では寝具やラグ、ペット用寝具などを清掃することを推奨しています。
洗濯できない寝具はどうする?
布団やマットレスなど、家庭で洗濯できないものもあります。
この場合、無理に洗濯機へ入れるのは避けましょう。
まずは製品の洗濯表示を確認します。
洗濯できないものについては、
- 乾燥機が使用できるか確認する
- メーカーの取り扱い方法を確認する
- クリーニング店へ相談する
など、製品に適した方法を選びます。
特に大型寝具は、家庭用洗濯機に無理に入れると、洗濯機や寝具そのものを傷める可能性があります。
ノミ・マダニを洗濯で追い出す方法まとめ

ここまでの内容を、ノミとマダニに分けて整理します。
ノミの場合
ノミが衣類や寝具にいる可能性があるなら、
- ノミがいる可能性のある布製品を確認する
- シーツやカバー、ペット用寝具など洗えるものを分ける
- 洗濯表示を確認する
- 洗濯可能な方法で洗う
- 乾燥機が使える場合は乾燥まで行う
- 洗濯だけで完全駆除できるとは考えない
という流れが基本です。
ノミは卵・幼虫・蛹・成虫というライフサイクルを持つため、洗濯1回だけで環境中のノミを完全に取り除けるとは限りません。
CDCも、寝具の洗浄だけでなく、掃除機などを含む複数の対応を案内しています。
マダニの場合
マダニが衣類に付着している可能性があるなら、
- 屋外活動後に衣類を確認する
- 衣類を室内に持ち込む前に確認する
- 乾いた衣類なら高温乾燥機を10分間使用する方法がある
- 洗濯する場合は温水が推奨されている
- 冷水・中温ではマダニを殺せないとされている
- 衣類の洗濯表示に従う
という考え方になります。
厚生労働省も、屋外活動後の入浴やマダニの付着確認、上着・作業着を屋内へ持ち込まないことなどを案内しています。
まとめ|ノミ・マダニを洗濯で追い出すなら「洗濯+乾燥」を考える
ノミやマダニが衣類・寝具に付着している可能性があるとき、洗濯は重要な対処方法のひとつです。
ただし、ノミとマダニでは対応方法が違います。
ノミの場合は、シーツや布団カバー、ペット用寝具などを洗濯することが基本です。CDCや大学の公的な情報でも、ノミ対策として寝具の洗浄が推奨されています。
一方、マダニについては、厚生労働省が屋外活動後の衣類や身体の確認を案内しています。
さらにCDCでは、乾いた衣類を高温乾燥機で10分間処理する方法や、洗濯する場合は温水を使用する方法が示されています。
大切なのは、「洗濯したから大丈夫」と単純に考えないことです。
ノミなら、洗濯した寝具以外にも存在している可能性があります。
マダニなら、屋外活動後に衣類へ付着している可能性があります。
そのため、
ノミ → 洗える寝具・衣類を洗濯し、可能なら乾燥まで行う
マダニ → 衣類を確認し、乾燥機が使える場合は高温乾燥、洗濯する場合は温水を検討する
というように、それぞれに合わせて処理しましょう。
なお、ここでいう「ダニ」は主にマダニを指しています。一般家庭で問題になるチリダニなどは性質が異なるため、同じ方法をそのまま当てはめないよう注意してください。
参考・引用元
厚生労働省|ダニ媒介感染症
マダニの生息場所、屋外活動後の入浴・確認、衣類などについての情報。
厚生労働省「ダニ媒介感染症」
厚生労働省|ダニ対策「ダニ」にご注意ください
上着・作業着を家の中に持ち込まないこと、屋外活動後の確認などを掲載。
厚生労働省「ダニ対策」PDF
厚生労働省|マダニ媒介性の回帰熱に関するQ&A
マダニへの対策や屋外活動後の確認について掲載。
厚生労働省「マダニ媒介性の回帰熱に関するQ&A」
厚生労働省|重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A
マダニ対策などについて掲載。
厚生労働省「SFTSに関するQ&A」
洗濯・乾燥方法の参考資料
CDC|Preventing Tick Bites
マダニが付着した可能性のある衣類について、高温乾燥機10分間、温水洗濯などの具体的な方法を掲載。
CDC「Preventing Tick Bites」
CDC|Getting Rid of Fleas
ノミ対策として、寝具・ペット用寝具の洗浄や環境清掃などを掲載。
CDC「Getting Rid of Fleas」
CDC|Preventing Fleas
ノミが寝具などに生息する可能性や、寝具を石けんと水で清掃する方法を掲載。
CDC「Preventing Fleas」
University of Minnesota Extension|Fleas
ペット用寝具を温水で洗う方法など、ノミへの非化学的な対処方法を掲載。
University of Minnesota Extension「Fleas」


