「最近、家の中で羽アリを見かけた」
「床がなんとなくフワフワする」
「柱や壁に変な跡がある」
このような状況になると、「もしかしてシロアリがいるのでは?」と不安になりますよね。
ただし、シロアリは普段から人の目につく場所を歩いているわけではありません。
木材の内部や床下、壁の中などで活動することが多いため、気づかないうちに被害が進んでいるケースもあります。
一方で、家の状態を確認することで、シロアリがいる可能性をある程度判断することは可能です。
この記事では、
- シロアリがいるかどうか確認する方法
- シロアリがいるときに見られるサイン
- 羽アリと普通のアリの見分け方
- シロアリを追い出す・駆除する方法
- やってはいけない対処法
について、わかりやすく解説します。
「家にシロアリがいるかもしれない」と感じている方は、まず落ち着いてチェックしてみてください。
シロアリがいるかどうか確認する5つの方法

シロアリの存在を確認するときは、虫そのものだけを探す必要はありません。
むしろ重要なのは、シロアリが残した痕跡を探すことです。
公益社団法人日本しろあり対策協会によると、シロアリ被害の確認には、蟻道、蟻土、食痕、木材の空洞音、建物の異常、羽アリなどが手がかりになります。
ここでは、自分でも確認しやすい5つのポイントを紹介します。
1.基礎や床下に「蟻道」がないか確認する
シロアリがいるかどうかを調べる際、まず確認したいのが**蟻道(ぎどう)**です。
蟻道とは、シロアリが移動するためにつくる土のトンネルのようなものです。
シロアリは光や風を嫌うため、地面から建物へ移動するときに、土や排出物などを使って通り道をつくります。
特に確認したい場所は以下です。
- 家の基礎部分
- コンクリートの表面
- 床下の束石
- 土台
- 木材の表面
土でできた細長い筋やトンネルのようなものがあれば、シロアリが活動している可能性があります。
日本しろあり対策協会でも、シロアリは地中から蟻道をつくって建物へ侵入することが多いとされています。
ただし、古い蟻道が残っているだけの場合もあります。
そのため、「蟻道がある=現在も必ず活動中」と断定することはできません。
しかし、シロアリ被害を疑う重要なサインであることは間違いありません。
2.家の中や周辺で羽アリを見つけた
家の中で羽アリを見つけた場合も、シロアリがいる可能性を考える必要があります。
ただし、ここで注意したいのが、羽アリにはシロアリの羽アリと普通のアリの羽アリがいることです。
「羽がある=シロアリ」とは限りません。
シロアリの羽アリの特徴
シロアリと普通のアリは、以下のポイントで見分けられます。
シロアリ
- 触角が数珠状
- 胴体にくびれがない
- 4枚の羽がほぼ同じ大きさ
普通のアリ
- 触角が「く」の字状
- 胴体にくびれがある
- 前の羽が後ろの羽より大きい
公益社団法人日本しろあり対策協会も、この3つの特徴をシロアリとアリの主な見分け方として紹介しています。
羽アリを見つけた場合は、すぐに捨てる前に、できれば写真を撮っておきましょう。
虫の写真や発生した場所がわかれば、後から専門家に相談するときにも役立ちます。
3.木材を叩くと空洞のような音がする
シロアリは木材の内部を食べるため、外見では問題がないように見えても、中身が空洞になっていることがあります。
例えば、
- 柱を軽く叩くとポコポコした音がする
- 木材が異常に軽い
- ドライバーなどで触ると簡単に崩れる
といった場合は注意が必要です。
日本しろあり対策協会によると、被害が進んだ木材では、叩いたときに空洞音がしたり、ドライバーなどで簡単に穴が開いたりする場合があります。
ただし、自分で強く叩いたり、柱や土台を削ったりするのはおすすめできません。
建物を傷つける可能性があるためです。
「明らかに内部が空洞になっていそう」という場合は、それ以上無理に確認せず、専門家による調査を検討したほうがよいでしょう。
4.床がフワフワする・建具の調子が悪い
「最近、床がフワフワする」
このような違和感も、シロアリ被害のサインのひとつです。
もちろん、床が沈む原因はシロアリだけではありません。
経年劣化や湿気、木材の腐食など、さまざまな原因が考えられます。
しかし、シロアリによって床下の木材が食害されると、木材の強度が低下する可能性があります。
その結果、
- 床が柔らかく感じる
- 歩くと沈む感じがする
- 柱が下がる
- 襖や雨戸などの建具が動きにくくなる
といった異常が起こることがあります。
日本しろあり対策協会でも、シロアリ被害が進んだ建物では、柱が下がったり、建具の立て付けが悪くなったりすることがあるとされています。
「家が古いから仕方ない」と放置すると、原因がシロアリだった場合には被害が進行する可能性があります。
5.木材に変な食べ跡や土がある
木材の表面や割れ目に、以下のようなものがないか確認してみましょう。
- 木材が不自然にボロボロしている
- 木の内部だけが食べられている
- 木材の隙間に土が詰まっている
- 土のようなものが盛り上がっている
シロアリは木材を食害するだけでなく、木材の隙間などに土や排出物を詰めることがあります。
これは「蟻土(ぎど)」と呼ばれます。
また、シロアリの食害には独特の特徴があります。
木材の表面を残しながら、内部を食べているケースもあるため、見た目だけでは被害に気づきにくいことがあります。
木材の中身がスカスカになっている場合もあるため、異常を見つけたら早めに対応することが重要です。
シロアリがいそうな場所はどこ?

シロアリがいるかどうか確認するときは、家全体をやみくもに探す必要はありません。
まずは、被害が発生しやすい場所から確認すると効率的です。
特にチェックしたいのは以下の場所です。
- 浴室
- 洗面所
- トイレ
- キッチン
- 床下
- 玄関周辺
- 家の基礎部分
日本しろあり対策協会では、ヤマトシロアリは湿気が多く、日当たりの悪い場所などに多く見られるとされています。
そのため、水を使用する場所や湿気がこもりやすい場所は注意が必要です。
特に、
「お風呂場の近くの床が柔らかい」
「洗面所の床が沈む」
「キッチン付近で羽アリを見た」
といった場合は、シロアリの可能性も含めて確認しましょう。
シロアリを見つけたら追い出す方法は?

ここからは、シロアリがいる可能性が高い場合の対処方法について解説します。
結論からいうと、目の前にいるシロアリだけを殺しても、完全に追い出せるとは限りません。
シロアリは集団で生活しています。
見えているシロアリだけを駆除しても、木材の内部や地中に別の個体が残っている可能性があります。
そのため、「虫を数匹退治したから大丈夫」と考えるのは危険です。
方法1.見つけたシロアリは掃除機などで一時的に除去する
羽アリやシロアリが室内に大量に出てきた場合、まずは落ち着いて目に見える虫を除去しましょう。
掃除機で吸い取る方法は、一時的な処置として利用できます。
また、粘着テープなどで捕獲する方法もあります。
ただし、重要なのはここです。
これはシロアリの巣を駆除する方法ではありません。
あくまで、室内に出てきた個体を片付けるための応急的な対応です。
シロアリが建物内部から発生している場合、見えている個体だけを除去しても根本的な解決にはなりません。
方法2.発生場所を確認して記録する
シロアリを追い出す前に、可能であれば以下を記録してください。
- シロアリを見つけた場所
- 発生した日時
- 虫の写真
- 羽が落ちている場所
- 蟻道や食害の写真
これは地味ですが、とても重要です。
シロアリ対策では、どこから発生しているのかを把握することが必要だからです。
例えば、
「浴室の窓際から羽アリが出ている」
「床下の基礎に蟻道がある」
「玄関付近の木材が食害されている」
など、発生場所によって確認すべき箇所が変わります。
写真を残しておけば、後から専門家に相談するときも状況を説明しやすくなります。
方法3.シロアリ用の駆除処理を行う
シロアリを根本的に追い出すためには、建物内部や床下にいる個体まで含めて対処する必要があります。
公益社団法人日本しろあり対策協会によると、既存建築物のシロアリ防除では、木部への処理や土壌への処理などが行われます。
一般的には、
- シロアリがいる木材への処理
- 床下の土壌への処理
- シロアリが侵入している経路への処理
などが検討されます。
ただし、建物の構造やシロアリの種類、被害状況によって必要な処理は異なります。
そのため、自己判断で家中に薬剤を大量に散布する方法はおすすめできません。
特に床下や壁の内部では、どこまで被害が広がっているか判断しにくいためです。
シロアリを自分で追い出すときに注意したいこと

「できるだけ自分で何とかしたい」と考える方も多いでしょう。
しかし、シロアリ対策では、やり方を間違えると被害状況を把握しにくくなることがあります。
特に以下の行動には注意してください。
殺虫スプレーを大量に噴射する
目の前のシロアリに殺虫スプレーをかけたくなるかもしれません。
しかし、見えている個体だけを退治しても、根本的な駆除になるとは限りません。
また、シロアリが壁の内部や床下に逃げ込んだ場合、どこに移動したのか確認しにくくなる可能性もあります。
そのため、「見つけたシロアリを片っ端からスプレーで退治すれば解決」と考えるのは避けましょう。
蟻道をすぐに壊す
基礎部分に蟻道を見つけると、すぐに壊したくなるかもしれません。
しかし、蟻道はシロアリが侵入している重要な痕跡です。
先に写真を撮るなどして、状況を記録しておくことをおすすめします。
何も記録せずに壊してしまうと、後から「どこにどのような蟻道があったのか」がわからなくなる場合があります。
まずは写真を残し、必要に応じて専門家に確認してもらいましょう。
木材をむやみに壊す
「シロアリがいそうだから」といって、柱や床をドライバーで削ったり、床下の木材を壊したりするのはおすすめできません。
建物の状態を悪化させる可能性があります。
また、シロアリ被害と木材腐食を自分で正確に区別することも簡単ではありません。
異常を発見した場合は、無理に内部まで確認しようとせず、まず現状を記録することが重要です。
シロアリを完全に追い出すには専門的な駆除が必要な場合もある

正直なところ、シロアリが建物内部で活動している場合、完全に追い出すのは簡単ではありません。
理由は、シロアリが普段、人の目につかない場所で活動しているからです。
床下、壁の内部、土台、地中など、さまざまな場所に潜んでいる可能性があります。
そのため、
- 家の中で羽アリが大量発生した
- 蟻道を見つけた
- 木材が明らかに食害されている
- 床がフワフワしている
- 柱や建具に異常がある
といった場合は、専門的な調査を受けたほうが確実です。
日本しろあり対策協会では、シロアリ防除について、登録された施工者が認定薬剤や施工標準仕様書などに基づいて処理を行う仕組みを紹介しています。
もちろん、必ずしも大規模な被害とは限りません。
だからこそ、早い段階で状況を確認することが重要です。
「シロアリいるかどうが?」と思ったら早めの確認がおすすめ

シロアリは、毎日目に見える場所にいるわけではありません。
そのため、
「虫を見ていないから大丈夫」
「家は普通に見えるから問題ない」
と判断できない場合があります。
一方で、以下のようなサインがあれば注意しましょう。
シロアリがいるかどうかチェックリスト
- 基礎に土のトンネルのような蟻道がある
- 木材の隙間に土が詰まっている
- 家の中で羽アリを見つけた
- 羽が大量に落ちている
- 床がフワフワする
- 柱や木材を叩くと空洞音がする
- 木材がボロボロになっている
- 襖や雨戸などの建具の調子が悪い
- 浴室や洗面所など湿気の多い場所に異常がある
ひとつでも当てはまった場合は、シロアリ被害の可能性を確認してみましょう。
まとめ|シロアリがいるかどうかは「虫」より「痕跡」を確認しよう
「シロアリいるかどうが?」と気になった場合は、シロアリそのものを探すよりも、まず被害の痕跡を確認することが大切です。
特に重要なポイントは以下のとおりです。
- 基礎部分に蟻道がないか確認する
- 羽アリがシロアリか普通のアリか見分ける
- 木材に食害や空洞がないか確認する
- 床のフワフワや建具の異常をチェックする
- 浴室や洗面所など湿気の多い場所を確認する
そして、シロアリを見つけた場合、目の前にいる虫だけを退治しても根本的な解決にならないことがあります。
掃除機などで目に見える個体を一時的に除去することはできますが、建物内部や床下で活動している場合は、発生場所や被害範囲を確認する必要があります。
シロアリは放置して自然にいなくなるとは限りません。
「もしかしているかも」と思った段階で、蟻道や羽アリ、木材の異常などを確認し、必要に応じて専門的な調査や駆除を検討しましょう。
早めに状況を把握することが、被害の拡大を防ぐための第一歩です。
参考・引用元
本記事は、以下の公的・専門機関の公開情報を参考に作成しています。
- 公益社団法人 日本しろあり対策協会「シロアリの見分け方を教えてください」
公益社団法人 日本しろあり対策協会:シロアリの見分け方 - 公益社団法人 日本しろあり対策協会「誰でも簡単に確かめられるシロアリ発見法を教えて下さい」
公益社団法人 日本しろあり対策協会:シロアリ発見法 - 公益社団法人 日本しろあり対策協会「シロアリの防除の方法」
公益社団法人 日本しろあり対策協会:シロアリの防除方法 - 公益社団法人 日本しろあり対策協会「建物でしろありの被害にあいやすい場所はどこですか?」
公益社団法人 日本しろあり対策協会:被害にあいやすい場所 - 一般社団法人 関西・北陸しろあり対策協会「シロアリ被害の見つけ方」
一般社団法人 関西・北陸しろあり対策協会:シロアリ被害の見つけ方
※本記事は一般的な情報を提供することを目的としています。実際の建物の被害状況やシロアリの種類によって適切な駆除方法は異なります。


